NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構では相談窓口を開いています。日々、色弱(医学用語:色覚異常)の方や色弱のお子さんをおもちのご家族からいただくご相談で多いことのひとつは「資格・職業」に関することです。ご相談に対して、現在の日本では色弱の人(医学用語:色覚異常者)も車の免許を取得できますし、医師になることもできますよ…とお応えすると、「では、これは?あれは?」と質問されます。そして、色覚条件のある資格・職業はわずかである事実に安堵される方は少なくありません。また「その職業についたときに困ることはないのでしょうか?」といった質問を多くいただきます。

そこで、「色弱者(色覚異常)と資格。職業の実態調査」を行うことで現状を把握し、今後の相談や活動に活かしていきたいと考えています。
色弱の方で【医師・薬剤師・警察官・消防士・自衛官・船舶操縦士・調理師・美容師・教員・電気工事士】の仕事をされている方は、アンケートにご協力をよろしくお願いいたします。

 

アンケート「色弱者(色覚異常)と資格・職業の実態調査」ご協力のお願い
*お名前を公表
することはありません。ペンネームでも結構です。

【対象者】
眼科での色覚精密検査により色覚タイプが明確である方、学校での色覚検査(スクリーニング)で「色覚異常の疑い有り」と言われた方で『医師、薬剤師、警察官、消防士、自衛官、船舶操縦士、調理師、美容師、教員、電気工事士』の仕事をされている方

【アンケート内容】

(1)色弱であることで困ること(場面)は、どんなことがありますか?

(2)周りの環境や理解によって、支障なく行うことができる思うこと(場面)はありますか?

(3)色覚に関わるミスなどを防ぐために、自分でどのような工夫をしていますか?

(4)子ども・学生たちへのメッセージ

▶︎アンケートへのご回答はこちらからお願いします。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/c21b5645742587

 


資格や職業における『応募資格』って何?

資格や就職の際に「応募資格」との記載があります。業務に求める経験やスキルを記載することが一般的ですが、社会や現在の状況に合わせて見直し検討、改善はされているでしょうか?

例えば、宇宙飛行士の応募条件は2021年に大きく変わりました。

【2008年応募資格】
4年制大学で理学、工学など自然科学系を専攻し、卒業後、自然科学系の分野で3年以上の実務経験を積むことが必要でした。その上で、身長158~190センチ、体重50~95キロ、最高血圧140以下、最低90以下などの条件がありました。

【2021年応募資格】
学歴不問。実務経験も分野、就業形態(正社員、派遣、自営など)は問われず、体重や血圧、泳力もなくなりました。体重は「生活指導などで増減がある程度可能」、泳力も「訓練時に習得する」としています。身長の下限も158センチから149・5センチになり、女性も受験しやすくなります。

応募条件を緩和することで、多様で幅広い人材を求めているわけです。


日本での雇入時の健康診断の項目から色覚検査は廃止されています(1972年・労働安全衛生法)

色覚は遺伝であることが分かってからも本当の原因は分からず、色覚の発達が遅れているのが原因とされていた時代が長くあり、治療方法が模索されました。現在はこのような考え方は否定されています、しかし、その頃の応募資格が未だに使われていることがあるかもしれません。

資格や職業における応募資格に「色覚条件」のある場合、その理由はどのようなことか。環境を変えたり周囲の理解によって支障なく行えることではないのかどうか。また、自分で工夫することによってミスを防ぐことはできるのかできないのか…といったことを突き詰めていくことは、ユニバーサル社会に向けてとても重要なことといえます。
*NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構は、これらの調査に協力し、自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟(以下UD連盟)において、【防衛省・国交省・文科省・内閣府】に要望書を提出しています。