色覚異常(医学用語)の子どもをおもちのご家族向けに勉強会を開催しました(2022年6月11日)。

勉強会に申し込まれたときというのは、大半の方が様々な不安を抱え、心が押しつぶされそうな状態の方も少なくありません。ですので、この勉強会では、色覚にかかわる基本的なことを丁寧に話すことを心がけています。

今回も、色覚異常とはどういうことなのか、色覚の分け方と医学的な呼び方・CUDO提唱の呼び方、色が作られるしくみと色覚タイプの違い、遺伝のケースなど色覚にかかわることを中心に学校生活や色覚検査にかかわること、ご家族のサポートの仕方などを話させていただきました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 

小学校での「色覚の多様性への対応・サポート」が必要な理由

小学校では、様々な場面に「色分け」が使われます。
・チームを色で分ける
・順番を色を分けることで伝える
・色の変化を見て学ばせる
・注意、重要といった「強調」したいことを色を使って目立たせる

色を分けには「わかりやすさ」「強調(目立たせる)」「行動を促す」などの役割があります。子どもがたちが「パッと見てわかる」「集中する」ということにもつながるでしょう。

けれども、色の感じ方には血液型のようにタイプがあり、タイプによって「見分けやすい色」「目立つ色」は全く異なります。

わゆる色覚異常の子ども(小学校低学年)の大半は、自分が見分けにくい配色をまだ知りません。見分けられていないことに自分自身では気づけないこともあります。

ですので、学校の先生やご家族のサポートは必要です。そのためにも、色覚タイプのことやその特徴を知っていただきたく思います。

ぜひ、色覚シミュレーションツールなどを活用していただいて、色覚タイプの違いを体験し、どの児童生徒が色覚の何タイプであっても困ることのないように工夫し、サポートをお願いいたします。

参考:色覚タイプ別の「見分けにくい色の組み合わせ」の傾向と特徴について

 

 

スマホで簡単!色弱の子どもの「色の見分けにくさ」を体験しましょう

自分とは異なる色覚タイプの子ども「色の見分けにくさ」を知りたいときには、無料アプリ「色のシミュレーター」は役立ちます。

色覚型の違いにかかわらず、子どもたちにとって学校環境は安全であるか、教科書や授業の進め方など困ることはないか、正しく情報は伝わっているでしょうか?「色のシミュレーター」を活用して確認しましょう。

・体育館の床に貼られたバレーボールやバスケットのコートの線は色分けできる?
・黒板:チョークで書いた文字は見えている?文字を強調していることは伝わっている?
・教科書:グラフなどの色分け、判例との対応は、正しくできる?
・理科実験:色の変化がどこが何色に変化したのか、正しくその範囲をとらえられる?
・チームの色分け:見分けられる?(何色であるかを伝えることも重要です。)

*色のシミュレータに表示される色は、実際に見えている色ではありません。

 

参考資料として

桜の色はどう見える? 花火は? あめ玉の袋の色分けは? 焼肉の焼き具合いってわかるの?そんな質問に応えた「色弱の子どもがわかる本」は、色覚異常のお子さんをおもちのご家族に役立つ一冊になっています。

▶︎「色弱の子どもがわかる本」を購入する

 




学校で困る場面と対応や工夫の仕方をまとめた「考えよう!学校のカラーユニバーサルデザイン」は、色覚タイプやその特徴も書き留めてあります。教員の方やご家族にも役立つ一冊です。

▶︎「考えよう!学校のカラーユニバーサルデザイン」を購入する

 


冊子「カラーユニバーサルデザインって何だろう」/製作:CUDO
小学校4年生のユニバーサルデザインの授業の中で、色の見え方は誰もが同じではないことやカラーユニバーサルデザインについて学ぶ学校が増えてきました。そこで、授業内容の参考として作成した冊子です。(PDF 3.6MB)
*印刷版をご用意できます(1部100円)

▶︎冊子「カラーユニバーサルデザインって何だろう」を注文する


「eye チョーク」のご紹介
色覚のタイプの違いにかかわらず、色が見分けられるチョークです。千葉県松戸市は、小学・中学・高校でこのチョークを使用されています。

▶︎「eyeチョーク」詳細を見る

 


◆「色覚異常の子ども」ご家族の勉強会に関する相談・問い合わせ
担当:NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構 井上和美
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