GOOD DESIGN AWARD2021において、CUD認証を取得した「踏切警報灯(東邦電機工業(株))」がデザイン賞を受賞しました。

製品に関して、GOOD DESIGN AWARD ウェブサイトに掲載されている一部をご紹介します。


「踏切警報灯(東邦電機工業(株))」

【概要】
本製品は、鉄道の踏切に設置し光で列車の接近を知らせる踏切警報灯の一種です。踏切事故の減少に効果的な全方向(360度)の視認性に加え、色覚の多様性により赤色を識別しにくい方にも優しいカラーユニバーサルデザインに配慮しています。また、消費電流を約30%(自社従来品比)減少させたことで、さらなる省エネ効果が期待できます。

【デザインのポイント】
1.鉄道信号業界初となるカラーユニバーサルデザインの踏切警報灯を、全方向形で実現。
2.より多くの人が発光を認識しやすい発光波長のLEDを使用。
3.赤色が認識しづらい色覚の方が検証員を務める第三者評価の認証を取得。

【経緯と成果】
①色による視認性向上:使用するLEDの発光波長を「オレンジみの明るい赤」に変更することで、カラーユニバーサルデザイン化を実現。鉄道信号業界初の第三者認証取得を目標としました。②角度による視認性向上:実績のある全方向(360度)の視野角に加え、お子さんや車いすの方にも認識できるようローアングルからの視認性を改善。③省エネ配慮:現状設備を変更せず全方向化を実現(=導入コスト削減)すべく、従来品一般警報灯と同等の消費電流(500mA)値に目標設定(自社従来品比:約30%減)。④着雪対策:外背板機能を灯箱内に設け着雪凍結を低減。⑤積雪対策:曲面を基調とし、天板面積を40%低減(自社従来品比)したフォルムの採用で雪の自重落下能力が向上。⑥機器落下防止対策:セーフティー金具を考案しワイヤーと組み合わせることで解決。⑦設置時の支援:落下防止用セーフティー金具に加え吊り下げひもを採用し1人設置を可能に。

*詳しくは、こちらをご覧ください、→GOOD DESIGN AEARD 2021

 


「赤色LEDが認識しづらい」とは
色覚のタイプによって、受け取ることのできる光の範囲は下のイラストのように違いがあります。
*錐体細胞:色を感じるセンサー(視細胞)
*シミュレーション画像:P型色覚の人の見分けにくさを表現した色覚シミュレーション画像。

 

このように、社会でよく使われている「赤色LEDの光」はC型色覚の人には目立つのですが、P型色覚の人にとって見えない光の範囲の色であることはよくあります。つまり、点灯に気づきにくかったり、まったく気づかないこともあります。
「踏切警報灯(東邦電機工業(株))は、色覚タイプを問わず点灯していることがわかる(消灯と見分けることができる)LEDを使用し、CUD認証を取得されました。P型色覚の子どもたちも点灯に気がつくことができることは、ご家族にとっても安心です。