ここ1週間、大分県や宮崎県では震度3以上の地震が6回発生しているという。温暖化の影響もあってか、台風等による大雨や集中豪雨等の頻繁も懸念される。自然災害は、いつ、どこで発生するかわからない。日ごからできる備えとして、防災用具を準備する人は多いだろう。自分が住んでいる地域の『ハザードマップ』の確認も重要だ。インターネットで公開している地域のハザードマップは、国土交通省のサイトで入手することができる。色覚の多様性に対応されているかどうかの確認もお願いしたい。
わがまちハザードマップ(国土交通省)

カラーユニバーサルデザイン機構では、ハザードマップのCUD検証も行なってきた。日本にはP型やD型色覚の人は320万人以上いると考えられ、白内障は70代で約80%、80代ではほぼ100%という報告がある。ハザードマップについても、こうした色覚の多様性に対応することは重要だ。参考としてハザードマップのよくある問題と改善案を掲載する。

*『ハザードマップ』とは:
「洪水」「土砂」「高潮」「津波」「道路」「地震」などがあり、各市区町村で地域ごとに作成されている。自然災害がおきたとき、命を守るためにどこへ避難すればよいのか、どの経路を通れば安全か、どの場所は危険性が高いのかといったことが記載されている。

*CUD検証とは:
CUD検証は、C型・P型・D型の当事者が行い、CUD Oの定める基準に対応していると認められたものを合格とし認証。見分けにくい箇所がある場合は、改善案の方向性などを添えて通知する。ハザードマップにおいては、色覚タイプや色の感じ方の個人差を問わず、速やかに、正確に、安全な場所へ、安全な経路で行くことができるかどうかを検証する。

 

【国交省発行「水害ハザードマップ作成の手引き」より抜粋】
「配色については、ISO 等の基準や色覚障がいのある人への配慮、他の防災情報の危険度 表示との整合性も含めて検討し、以下の配色を標準とする。ただし、地域特性に配慮し、住民意 見を反映した上で地形や重ね合わせる背景図に応じて、これに類する配色やハッチング、グラデ ーション等を用いることを妨げないよう、各市町村において十分検討することも必要である。」


ハザードマップ よくある問題とCUD改善案

水害ハザードマップ作成の手引きにおいて上記浸水深の色分けが推奨されている。それ以外にもハ ザードマップには様々な配色が使われており、以下に地図中の塗り分けや、アイコンなどの使用色 を例として記載する。

 

これらの色についても当然、識別できない色を用いるとハザードマップの重要な情報を見落とす、 誤認することになるため色覚型を問わず、識別しやすい配色を使用することが必要不可欠だ。

 

◆CUD検証でよく見られる問題点