石川県・金沢美術工芸大学「色彩論」受講学生感想文

1)私が今までなにも気にせず見ていた看板、ニュース、地図を同じように見えずに困るということがどれほど不健全で危険なことであったかを初めてリアルに感じました。

友達に青と黄しか判別できない人がいて、大変だね~という話をしたことがありますが、地震(災害)や都会の看板、更に間違った表示など、私たちでもパニックになるような情報が正しく伝わらないというのは本当に恐ろしいのだと思いました。

言葉を用いなくても形や色で情報を伝えることがデザインの利点だと思いますが、だからこそより全ての人に理解されやすく、より精度の高いデザインが必要であり、また、私たちがこれから勉強すべきことだと改めて感じました。

2)デザイナーとして知っておくべきことを学べたので誰もがよりよく暮らせるデザインをしていきたいです。

素材が違うことで色のカテゴリー分けを越えてしまうこと、知りませんでした。

白黒コピーしたりして確かめることや、明度の差など色を選ぶ、色名を記載すること、(×凡例は受ける人によって色名間違える)

(シミュレータを使って)色に頼らないでやってみることなど(目立たせるために縁取り、立体感、千鳥柄/形に頼る/記号を使う)気にするクセをつけていきたいです。

3)カラーユニバーサルの観点からみた問題の実際の事例や、改善例などをたくさん取り上げられていたのでとても分かりやすかったです。

いかに普段、何も考えずに色を使い、何も考えずに使われた色に頼っていたかを実感しました。

シミュレーションや解決法も教えていただいたので、これからはもう少しカラーユニバーサルデザインを意識した色選びをしたいと思いました。

4)色彩構成で私が選んで使った色も色弱の色では色合いが似ていたなと思いました。

デザインしていく上でとても大切な授業だと思います。

ぜひもっといろいろな学校でも広めて欲しいです。

5)色弱の方が、自分が思っていた以上に多く社会にいるというのを初めて知った。

そして、色弱の方のためのデザインが少しずつ普及し始めていることも初めて知った。

「カラーユニバーサルデザイン推奨配色セットガイドブック」は分かりやすくてとても使いやすそうだと思いました。デザインをすることはあまりないのですが、駅の案内板やポスターなど、外に出たときの周りの見かたが変わってきそうだと思いました。

私の好きな作家さん(アルシャムさん)が色覚障害の方で、その個性をいかしながら作った作品は力強くすばらしいです。個性や強みとしてとらえているところが素敵だと思います。

6)今まで色弱については赤と緑の見分けが難しいというぐらいの知識しかなくて、今回の講義で知ることがたくさんありました。

ただ、見える色が少ないということではなく、明度や色合いといった、私ではグラフでみてやっとなんとなくわかるようなところを瞬時に見分けられる点があると思いました。だから色弱ではない私のような人は時々色に頼り過ぎてしまうことに気づくこともでき、色を感じる多様性は言語みたいだなと感じました。

小学生の時、黒板の赤のチョークが明るいマゼンダの色から朱色系で見やすい色になったのですが、確かに目がチカチカしにくいと思いましたが、P型やD型の人にとっても見やすくなったのか気になります。

津波警報の地図の濃い紫の色の危険さ、気持ち悪さをどの型にも伝えられることに、色にこだわる意味や自分の知らない色があると感じました。

7)今日の講義の色の選び方の手順2のやり方がかしこくて良いなと思いました。

利用者の多い大きな場所が独断でやってしまうのは怖いなと思いました。

P、D型に変換すると確かに赤より紫の方がどぎついインパクトあるなって思いました。

8)哲学での「自分の見ている赤と他人の見ている赤は同じ色か」という問題を思い出しました。(少し違う問題なのですが)

自分の普段見ている世界に愛着が湧いてきました。

新聞社の方が白黒でFAXをするためにユニバーサルデザインになっているという話が面白かったです。

東京メトロの地図に色弱の方にはよく見える模様が入っているのは、なんだかわくわくしますね。暗号みたい!!

9)前回の講義と合わせて「色の公平」についてとても考えさせられました。

今は日本画科ですが、私は高校ではデザイン科でデザインにおける色のことなども勉強していました。しかし、いわゆる色弱の人々に向ける配慮については考えたことがなかったので目から鱗でした。

10)なぜ色名がわざわざついているのか疑問に思っていましたが、カラーユニバーサルデザインの一種なんだということが分かりました。自分にとっては十分でも、他人はどうなのか考えることが必要だと感じました。

また、どうすればすべての人が見やすいデザインを考え、見直しがされていることを知り、そういえば最近は紹介していただいたようなデザインが増えてきているなと思いました。

11)色彩検定を受験したこともあり、カラーユニバーサルデザインに興味があったのでとても面白く聞かせていただきました。

色覚異常の存在は知っていても、色弱の人々がどのような世界を見ているのかは知らなかったので、シミュレーションをとても興味深く感じました。同時に、色弱の人々はどんなに不便だろうと思い、カラーユニバーサルデザインの必要性を強く感じました。

東日本大震災のニュースは、東北出身なので色のことなど気にする余裕などなかったのですが、工夫されていたんだなあと思いました。

12)美術科の私にとっても非常に興味深い内容だったと思います。

絵画においても色彩の差というものが重要であり、それをバルールと呼んでいるのですが、デザインの分野においてもその差が社会の格差を埋めているのですね。絵画表現では“バルールが合っている”とよく言いますが、それはデザインの分野では“見やすい”ということなのでしょうか。根底で深い繋がりがあるのでしょうね。

芸術は差を認めあい、デザインはある意味で差を可能な限り埋めていくのかもしれません。

13)これまで考えていた色や構成の方法に、また一つ大きな縛りができた気がし、すこし息苦しさを覚えました。

しかし、今後、ユニバーサル化が進んでいく中で、必要になってくる考え方だとも思います。こういう測り方もあるのかと知れただけで得るものはあったと思います。