色覚のしくみ

色を感じるセンサー「錐体(スイタイ)細胞」

目のしくみは。カメラの仕組みと似ています。光は、カメラのレンズの役割をする「水晶体」を通り、目の奥にある「網膜」に届きます。網膜は、光を捉えるところで、カメラのフイルムにあたるところです。網膜には、主として暗いところで働く「杆体(かんたい)」と主として明るいところで働く「錐体(すいたい)」の2種類の視細胞があります。

錐体細胞は、色を感じるセンサーで赤い光を受け取る「L錐体」、緑の光を受け取る「M錐体」、青の光を受け取る「S錐体」があります。ここで感じた光が、視神経を通って脳に伝わることで「色」を感じます。赤・緑・青の3色を見分けるためには、この3種類の錐体が必要になります。

 

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錐体細胞の違いによって「色覚タイプ」は決まる

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このグラフは、縦が「錐体細胞」の刺激値。横は「光の波長の長さ」を表しています。
光は、空間を伝わっていく電磁波の一種です。波長とは、光の波の長さのことを言い、波長によって目に感じる色は変化します。

グラフにあるように、ヒトが光として捉えられるのは、波長がおよそ400ナノメートル(グラフ左端)から800ナノメートル(グラフ右端)くらいで、感じる光はグラフの下にあるような虹の七色です。日焼けのもととなる紫外線は、紫(グラフ左端)より波長が短いのでヒトの目では捉えられません。800nmより波長が長い赤外線(グラフ右端)も、目で捉えることはできません。*テレビやリモコンによく使われる赤い光は、600〜700ナノメートルぐらいです。

グラフの3色線は、L錐体、M錐体、S錐体の3つの錐体細胞がそれぞれ、虹の七色のどの光に反応し、刺激を起こすかを示しています。S錐体は、青い光でもっとも刺激されます。他の光の色にはしあまり反応しません。M錐体とL錐体は、ともに黄色い光のあたりで最大の刺激を起こします。しかし、L錐体は、700nmの赤全域に反応しています。M錐体は、赤い光にはあまり反応していません。

C型色覚:L錐体・M錐体・S錐体の3本持つため3色覚と呼ばれている。
P型色覚:M錐体・S錐体の2本持つため2色覚と呼ばれている。
D型色覚:L錐体・S錐体の2本を持つため2色覚と呼ばれている。

このように、錐体の種類や状態、刺激の程度によって見分けにくい色は異なり、似ている人を集めると5つの色覚タイプに分類することができます。

 

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