「色覚異常・色弱」よくある質問|CUDO

【質問に対する返答について】
色覚異常とは医療分野で用いる言葉です。CUDOは一般社会においての色覚呼称を次の通り提唱しています。
*カラーユニバーサルデザイン機構では、社会において色覚の分類を「正常」や「異常」と呼ぶよりも、価値基準を感じないアルファベットで表現するのが望ましいと考え、次の呼称を提唱しています。

正常色覚(一般色覚型)→ C型
色覚異常(1型2色覚)→ P型 /(2型2色覚)→ D型 /3型2色覚→ T型 / 全色盲→ A型
*色覚の呼称について
*色覚型と特徴

<色覚異常・色弱に関する質問>————————————-

Q-001: 「色弱者」とは、どのような人ですか?
Q-002:「色覚異常」の人とは、どのような人ですか?
Q-003: 色覚異常の人は、日本にどのくらいいますか?
Q-004: 色覚異常は治せるのでしょうか?
Q-005: 色覚異常は遺伝しますか?
Q-006: 「保因者」とは、どのようは人ですか?
Q-007: 親戚に色覚異常の人がいます。私の子どもが色覚異常になる可能性はあるでしょうか?
Q-008: 色覚異常には種類があるのでしょうか?
Q-009: 色覚異常の人は、困ることがありますか?
Q-010: 「色弱者」と「弱視」は違うのでしょうか?
Q-011: 「色覚異常」と「色盲」は違うのでしょうか?
Q-012: 色覚や色覚異常について詳しく知りたいのですが、おすすめの書籍はありますか?

<当事者からの質問>——————————————

Q-301: 色覚異常と診断されました。どんなことに気をつけたらいいですか?
Q-302: 受験・就職に不利になるでしょうか?
Q-303: 自動車の運転免許は取れるでしょうか?
Q-304: 色の見分け方が他の人と違うような気がします。どこで検査をしたらよいでしょうか?
Q-305: 色覚タイプを知りたいのですが、どこの眼科でも検査をしてもらえるのでしょうか?
Q-306: 小学生の頃に色覚異常と言われましたが色覚タイプは知りません。CUD検証の協力者に登録できますか?
Q-307: 色覚異常を補正するメガネがあると聞きました。一般色覚の人と同じように色が見えますか?

<ご家族や周囲の人からの質問>———————————————

Q-401: 子供が色の違いをわからないようです。色覚検査は何歳でも受けられますか?
Q-402: 担当するクラスに色覚異常の生徒がいます。どのように対応したらよいでしょうか?
Q-403: 色覚異常の人は色が見えているのでしょうか?
Q-404: 色覚異常の人にとって見分けられない色を知る方法があったら教えてほしいです。
Q-405: 色覚異常の人には色がどのように見えているのか体験することはできますか?
Q−406:子どもが色弱です。家庭の中でできる工夫について教えてください。

<色覚異常・色弱に関する質問>———-

Q-001: 「色弱者」とは、どのような人ですか?
A-001:色づかい(配色)の対応がなされてない社会において情報が伝達されにくい人を総称して、カラーユニバーサルデザイン機構(略称:CUDO)では「色弱者(しき・じゃくしゃ)」としています。

Q-002:「色覚異常」の人とは、どのような人ですか?
A-002:眼科での色覚精密検査の結果、C型色覚以外の色覚タイプの人を指します。

Q-002: 色覚異常の人は、日本にどのくらいいますか?
A-002:日本では男性の約20人に1人、女性の約500人に1人、日本全体で約300万人以上いると考えられています。静岡県の人口、AB型の血液の男性の割合に匹敵します。

Q-003: 色覚異常は治せるのでしょうか?
A-003:色覚異常とは、P型・D型・T型タイプのことで、大半は生まれつき(遺伝性)であって病気ではありません。血液型を治したり変えたりすることができないことと同様の考え方です。

Q-004: 色覚異常は遺伝しますか?
A-004:色覚のタイプは、父親と母親から遺伝します。

※これはよく見られる遺伝図ですが、ヒトの先天的な赤緑の色覚にはC,P,Pa,D,Daなどがあり、複雑な物となっています。そのため例えば「保因者」の表現系が「色弱者」となったり、異型色覚型の父母から生まれた複合型保因者の表現系がC型色覚型となる可能性があります。

詳しく知りたい方は、色覚の多様性と色覚バリアフリーなプレゼンテーション
第1回 1.17複合型保因者の遺伝 をご覧ください。
https://www.nig.ac.jp/color/barrierfree/barrierfree1-7.html

Q-005: 「保因者」とは、どのような人ですか?
A-005:自分の色覚型はC型だけれども、P型やD型色覚の遺伝子を持つ女性のことを「保因者」と呼びます。

Q-006: 親戚に色覚異常の人がいます。私の子どもが色覚異常になる可能性はあるでしょうか?
A-006:色覚のタイプは親から子へ遺伝しますので、親戚の方がP型(D型)色覚であっても、ご両親の色覚タイプがC型色覚の場合、子どもははC型色覚になります。お父さんとお母さんのどちらかがP型(D型)、あるいはお母さんが保因者の場合、子どもがP型かD型色覚の可能性はあります。

Q-007: 色覚異常には種類があるのでしょうか?
A-007:色の感じ方は大きく分けてC型、D型、P型、A型、T型の5つに分けることができます。医療分野で用いられる「色覚異常」とは、D型、P型、T型、A型を指し示します。詳しくは「色覚型と特徴」をご確認ください。

Q-008: 色覚異常の人は、困ることがありますか?
A-008:10年前に比べると、色覚の多様性に対応した製品は増えました。しかし、対応されていない製品の方が多い現状にあります。また、「自分の色の見え方は、ひとつの色覚タイプにすぎない」ということを知らない人も多いです。このようなことから、C型とのコミュニケーションの際にストレスを感じるP型やD型の人は少なくありませんし、学校や生活の中でも様々な問題が起きています。

[例]
色分けされた文字や数字、マークが同じ色に見えたため、
・グループの色分けが同じ色に見えたり、境界線が隣の色と同じ色に見えたため、教科書の質問の意味がわからなかった。相手チーム(コート)と自分のチーム(コート)が見分けがつかなかった。
・危険を示すランプが見えなかったため、車が出てくることがわからなかった。
・先生や友達、家族に色名で指示をされたり、色名で答えなければならないときは戸惑う、など

Q-009: 「色弱者」と「弱視」は違うのでしょうか?
A-009:「色弱者(しきじゃくしゃ)」と「弱視(じゃくし)」は異なります。「色弱者」は、視力ではなく色の識別が一般色覚と異なる人で社会の色づかいに不便さを感じている人を指します。「弱視は」視力の低下した人のことを指します。

Q-010: 「色覚異常」と「色盲」は違うのでしょうか?
A:-010:「色覚異常」「色盲」「色弱」は、医療分野で用いられている医学用語で同じ色覚タイプを示しています。

Q-011: 色覚や色覚異常について詳しく知りたいのですが、おすすめの書籍はありますか?
A-011:CUDOが監修、関連させていただいた書籍を「書籍・DVD」にまとめましたので参考にしてください。

<当事者からの質問>———–

Q-301: 色覚異常と診断されました。どんなことに気をつけたらいいですか?
A-301:生活の中で「色名」を聞かれることは少なくありません。自分が身につけている物の色名を確認しておくとよいでしょう。また「注意事項」「重要事項」「速報」など命に関わる情報は、見分け間違えることがないように色名を確認しておくことは重要です。自分の色覚タイプとその特徴を知っておくと、気づかない色や見分けにくい色の見落としなどを防ぐことにもつながります。

Q-302: 受験・就職に不利になるでしょうか?
A-302:すべての国公立大学やほとんどの私立大学では色覚による受験制限はありません。就職については、一部の職種に色覚制限がありますので、事前に学校及び企業に問合せることをおすすめします。

Q-303: 自動車の運転免許は取れるのでしょうか?
A-303:P型色覚やD型色覚の人も運転免許を取得することができます。

Q-304: 色の見分け方が他の人と違うような気がします。どこで検査したらよいでしょうか。
A-304:C型色覚かどうかは、どこの眼科でも検査することができます。

Q-305: 色覚タイプを知りたいのですが、どこの眼科でも検査をしてもらえるのでしょうか?
A-305:色覚タイプの検査機器をおいている眼科は多くはありませんので、事前に問い合わせる必要があります。東京都内で色覚精密検査を行っている病院は東京慈恵会医科大学附属病院・公益社団法人東京都教職員互助会 三楽病院・東京女子医科大学付属病院などがあります。

Q-306:小学生の頃に色覚異常と言われましたがタイプは知りません。CUD検証の協力者に登録できますか?

A−306:CUD検証は、C型・P型・D型色覚の3タイプで検証をすることと定めています。CUD検証協力者として登録される場合は、眼科での精密検査を受けていただき、色覚タイプを明確にしていただくなどの条件があります。詳しくは「CUD検証協力者の募集」をご確認ください。

Q-307:色覚異常を補正するメガネがあると聞きました。一般色覚の人と同じように色が見えますか?
A-307: 「補正メガネ」について誤解をされる方は多いのですが、補正メガネは見分けにくい色を見分けるときに役立つメガネです。メガネをかけたときの表現としては「見えなかった色が見えるようになった」「色の世界が変わった」など、人によってさまざまなようです。スマートフォンアプリやメガネタイプなどがあります。詳しくは色を探す・見分ける」便利ツール/P型・D型色覚用」で紹介しています。

<ご家族や周囲の人からの質問>———

Q-401: 子供が色の違いがわからないようです。色覚検査は何歳でも受けられますか?
A-401:色の認識や判別には個人差がありますが、5歳ぐらいまでは安定しないといわれていて、7歳ぐらいから色覚検査を受けることはできます。しかし、色覚タイプを知るための「色覚精密検査」は、検査の方法を正しく理解し、長い時間を座って集中することが求められるため、大人でも疲れを感じる人がいます。このようなことからも、色覚タイプの確定検査は10歳ぐらいが望ましいとされています。

Q-402: 担任をつとめるクラスに色覚異常の生徒がいます。どのように対応したらよいでしょうか?
A-402:まず、C型・P型・D型色覚の色の感じ方は全く異なり、色名を共有することはできないことを認識しましょう。ここでは、すぐにできる対応を3つご紹介します。
1)「赤」「緑」「ピンク」「水色」といった色合いで考えるのではなく、明度差や彩度差をつけます。例えば、黒板は暗い緑ですので、文字の色は明るい白や黄色で書くと見分けることができます。

2)赤色はP型色覚の子どもは、赤い光を受け取らないタイプ(黒や茶色、深緑と同じに感じる)です。朱色は黄色が混ざっている色ですので、わずかな黄色の光を感じることができます。朱色は黒や深緑、茶色と見分けることができます。

3)「●●色の本をとって」とか「●色の線のところは重要だよ」など色の名前で指し示したり、色分けをするときには、「色+色以外の情報」が重要です。例えば、「右から二番目の緑の本をとって」「太い赤線のところは重要だよ」。
*本「考えよう!学校のカラーユニバーサルデザイン」では、各教科ごとに気をつけたい点をイラストで紹介しています。

Q-403: 色弱者にはどう見えているのでしょうか?
A-403:P型やD型など色弱者がどう見えているかを知る術は現在ありません。ですが、カラーユニバーサルデザイン機構のこれまでの活動から、P型・D型色覚のそれぞれのタイプがどの色づかいは見分けにくいのか、見分けられるのかはわかってきています。P型やD型色覚の人が色をどう見えていても、色を見分けることができれば社会生活で色に関することで困ることはぐっと少なくなります。

Q-404: 色弱者にとって見分けづらい色を知りたいのですが。
A-404:C型色覚の人が、P型やD型色覚の人の見分けにくい色を知ることができるツールはあります。詳しくは「色覚シミュレーションツールについて」ご覧ください。

Q-405: 色弱者の見え方を体験することはできるでしょうか?
A-405:P型やD型色覚の人が見ている色を体験できるツールは現在ありませんが、色覚シミュレーションツールを活用することで見分けにくい色を模擬的に知ることは可能です。詳しくは「色覚シミュレーションツールについて」ご覧ください。

Q−406:子どもが色弱です。家庭の中でできる工夫について教えてください。
A−406:歯ブラシのように自分と家族のものを「色分け」している物については、マークや印などをつけることで、間違えにくくなります。靴下には記号やマークをつけたり、柄のあるものを選ぶことで、靴下の左右の色が違うといったことを防ぐことができます。料理を盛り付けるときは、色合いよりも濃淡の違うものを合わせます。例えば、トマトや青物を盛り付けるのであれば、茶色の木皿より白い器に盛り付けることで、お皿と見分けることができ、盛り付けている食材の形もわかります。手軽に工夫できることは、いろいろあります。
本「色弱のこどもがわかる本」「考えよう!学校のカラーユニバーサルデザイン」などを参考にしながら、ご家庭でできる工夫をされるとよいでしょう。詳しくは「書籍・DVD」をご覧ください。

*CUDOでは、色弱のお子さんをお持ちのご家族を対象とする勉強会や交流会を定期的に開催しています。日程は、トップページの投稿でご案内していますので、お気軽にご参加ください。

*CUDO主催の勉強会ではアンケートによる質問をいただいています。これまでにいただいた質問と返答についてまとめましたので参考にしてください。「保護者の勉強会FAQ」(PDF)

色覚に関する相談窓口

CUDOでは、色覚に関する相談窓口を開いています。不安や心配などご相談は「色覚相談窓口」にお気軽にご相談ください。

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