さいたま市立大宮国際中等教育学校 江田帆花さんの発表を本人のご希望で掲載させていただきます。
高校生による「色覚多様性」の周知活動
こんにちは!
私たちは、「色覚多様性」や「カラーユニバーサルデザイン」についてもっと多くの人に知ってもらいたいという思いから、学校の探究活動を利用してさまざまな形で周知活動を行っています。
別々の高校に通っている私たちですが、「身近なデザイン」と「色の見え方」に関心を持っていたことから、協働してこのテーマに取り組むようになりました。
新開小学校での出張授業
小学校での出張授業では、「色覚の違いがあることをまず知ってもらうこと」、そして「それを身の回りのデザインと結びつけて考えてもらうこと」を目的に、3つの体験活動を組み込んだワークショップ形式での授業を企画・実施しました。

授業の様子
1つ目の体験活動では、色弱の方の視界を体験することのできるウェブサイト「色のシミュレータ」を活用した校内ツアーを行いました。
生徒のみなさんに、アプリを通して校内を異なる色覚で見てもらったり、私たちが作成したポスターを見比べてもらったりしました。

校内ツアーをしている様子
2つ目の探検活動では、色弱の方が区別しづらい色について説明したあと、私たちが作成した色が見分けにくいスライドを、だれが見てもわかりやすいデザインになるよう、生徒のみなさんに自ら編集してもらいました。

小学生がパワーポイントを編集している様子
3つ目の体験活動では、色弱の方の視覚を体験できるフィルターを使用した手作りメガネを用いて、色紙の色を見分ける色当てゲームを行いました。

色あてゲームをしている様子
授業実施後のアンケート調査では、授業を受けた5年生全員が色弱の意味を理解できたと回答し、そのうち87%は「授業で初めて知った」との回答が得られました。
また、授業を受けていない6年生と比較すると、6年生の色弱に対する認知度は16%にとどまっており、色弱に関するクイズの正答率も5年生のほうが高かったため、認知度・知識に関して授業の効果が表れたことがわかりました。授業を実施している間も、子どもたちが楽しみながら学んでくれたことがとても嬉しかったです。
さいたまコープみらいフェスタでの出展
生活協同組合コープみらい、コープデリ生活協同組合連合会主催の「さいたまコープみらいフェスタ」にも参加し、ブースを出展しました。
来場者の皆さんには「バリアントール」を用いた色覚体験や、説明パネル・写真を通じて色覚多様性について知っていただきました。ステージ発表では、私たちの活動内容を紹介し、クイズを交えて理解を深めてもらうことができました。

出展した際の様子

バリアントールをかけて資料を見ている様子

ステージで色当てゲームをしている様子
来場者アンケートでは、33%の方が「このイベントで初めて色覚多様性を知った」と回答しました。小さなお子さんからお年寄りまで、幅広い世代の方に興味を持ってもらえたことが印象に残りました。
立教大学でのSDGs実践発表会
2025年1月13日には、立教大学で行われた「SDGs実践発表会」に参加しました。
ここでも、色覚に関するクイズや、バリアントールをかけたままぬりえを行う体験活動を提供し、実際に色覚の違いを体験してもらいました。
今までの活動をまとめて発表する中で、多くの方に「色覚多様性」や「カラーユニバーサルデザイン」について興味を持っていただけたことが嬉しかったです。
「高校生でも、こうしたことを発信できるんだ」と実感できた、大切な経験になりました。
最後に
私たちの活動を通して、「誰かにとって見やすいデザインってどんなものだろう?」と考えるきっかけを持ってもらえたなら、とても嬉しいです。
これからそれぞれの進路に向けて頑張っていきますが、今回の探究活動を通して得た学びは、きっと将来にも活きてくると信じています。
活動の際には、伊賀公一様をはじめ、カラーユニバーサルデザイン機構の皆様に多大なるご協力をいただきました。心より感謝申し上げます。
さいたま市立大宮国際中等教育学校 江田帆花
国立筑波大学附属坂戸高等学校 鈴木和,松﨑來愛,山﨑詠