くらしなび ライフスタイル

「生活で混乱も」
「色弱」は色覚異常、色覚障害とも呼ばれる人が、色遣いで不便を被っている状態のことを指す。人間の目の網膜には、赤、緑、青を感じる3種の細胞があり、この細胞が欠けていたり、一般の人と違う働き方をしたりする人がいる。赤を感じる細胞が一般と異なる「P型」色覚。緑を感じる細胞が一般と異なる「D型」色覚などがあり、同じ型でも個人差がある。

路線図が読めず電車を間違える、カメラの充電器のランプの色の変化が分からない_。こんな不便が生じるのは、一般の人が見分けられても、色弱者に見分けにくい色が使われているからだ。自身も当事者のNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構の伊賀公一副理事長は「生活に支障はないが、色遣いが配慮されていないために混乱を生む場合がある」と話す。

 

「残る 進路の制限」
色弱者が自らの色覚の特性に気付くのはいつか。2003年度に小学校で一律の色覚検査が廃止され、「進学や就職に直面するまで気付かない人が増えた」との指摘もある。日本眼科医会が10~11年度に実施した調査では、色弱で初めて眼科を訪れた人の約半数は小学生だったが、高校生も1割以上いた。

色弱者の進学の制限はほぼないが、就職では航空、船舶、鉄道など一部で制限が残る。医会理事の宮浦徹医師は「早めに自分の色の見え方の特性を知っておくと、色が原因で起こるトラブルも避けやすい」と話す。小中学校で希望者への任意検査は可能だ。正式な診断は眼科医に行く必要があるが、けんさできるか事前に問い合わせよう。

 

「98カ国でダウンロード」
色弱者の周囲が配慮することは…省略…。メディアデザインyた医学に詳しい研究者の浅田一憲さん(52)が開発したスマートフォンアプリ「色のシミュレータ」は98カ国で約14万件ダウンロードされた。CUDOは配色などを工夫した「~0ユニバーサルデザイン」を提唱。社会で徐々に広がっている。