4月のCUD友の会のテーマは「CUD美術館 企画展 ~色の再発見~」。今回もこれまでにない珍しい企画となりました。
浅田さんのアプリ『色のメガネ』を利用して、ゴッホのドービニーの庭を見てみました。庭の緑の中にある赤茶色の部分を光らせて色弱者にも色の違う部分があることがわかるようにしています。
中央から左下の部分の赤茶色の部分は一般色覚には草が枯れたような部分があるように見えます。ここには元々猫の絵が描かれており、後から塗りつぶされたということがわかっています。
美術館巡りと写真撮影が趣味の田中氏により、ルネサンス、新印象派、浮世絵の作品に使われている色に注目しながら、みんなで一緒に絵画を鑑賞しました。

【鑑賞の仕方】
中央に大きなディスプレイでオリジナル画像を設置。左右のディスプレイには、それぞれ「色のシミュレータ」「色のめがね」を表示し、「色のシミュレータ」のディスプレイでは色弱者の色の見分けにくさを体験できるようにしました。

「色のめがね」のディスプレイでは指定した色をチカチカと光らせる機能を使い、色弱者にとって見分けにくい色がある場合でも違う色であることが理解できるようにしました。

■ルネッサンス期の宗教画と色彩
宗教画では、着ている服の色で人物を特定できるようになっていたり、色そのものに意味(慈愛や真実など)があるなどの色彩のルールにも注目して、みんなで話し合いながらじっくり鑑賞しました。

■新印象派と色彩
新印象派は点描による混色を特徴としているので、画面を拡大して点描や混色の様子が色覚によって違うかを確認したりしました。なかにはP型やD型の人がこれまで空や海や草原だと思っていた部分が、実際は汽船の煙だったり陸地だったりお花畑だったりする部分がありました。C型の人も気付かずにいたところもありました。光の方向や色、植物の葉の色の様子などで、朝、昼、夕方、夜といった日時や、季節感を感じる部分についても色覚によって捉え方が様々という話もあがりました。

■浮世絵と色彩
ツールを使って葛飾北斎の「赤富士」のグラデーションを確認したり、「従千住花街眺望ノ不二」の絵で近景の草と遠景の草が異なる色相で色付けされていることなどを確認し、改めて鑑賞しました。

未来へ向けて
多様な色覚に配慮した信号機、webで話題になった色弱の写真家、握手している絵などについての話題が出ました。

CUD美術館2

■ゴッホの作品
ゴッホの作品では赤と緑、青と黄色の補色が象徴的に使われています。色のシミュレーターを通すと赤と緑が同じ色の濃淡の違いのように見えて、青と黄色は鮮やかに見えます。独特とも言える色使いが、馴染みある色使いのように見えてきます。そうしたところからでしょうか。ゴッホは色弱だったのかもしれないという説があります。

一方で色の補色の関係をよく勉強していたとの話が残っているようですから、意図的にこうした色使いをしていたとも思えます。いずれにしても補色を利用したゴッホの天才的な絵画は色のシミュレーターを通すとまた一風違った見え方があり2重に楽しむことができました。

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「CUD友の会」は、CUDO個人賛助会員の主催によって原則として毎月第三土曜日に開催しています。
テーマは、CUDや色覚に関して「学ぶ」「体験する」「楽しむ」です。地域のイベントなどにも参加しCUD普及活動を行っています。
*参加対象者:個人・企業賛助会員、会員紹介者

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