朝日新聞の全国版第二面「ひと」欄に、カラーユニバーサルデザイン機構の伊賀公一(P型色覚)が紹介されました(2007年4月24日(火))
この春、1級カラーコーディネータに合格したこと、子供の頃からのこと、CUDOとの関わりや今後のことについて掲載されています。
色弱のカラーコーディネータ 伊賀公一(いがこういち)さん 51歳
赤や緑が焦げ茶色に見える.強度の色弱というハンディを乗り越え,難関のカラーコーディネータ検定1級に合格.色の歴史や配色の理論を学び,試験では色を表す記号を頼りに答えた.
これを機に会社を辞め,今月からNPO法人「カラーユニバーサルデザイン機構」(CUDO,東京)の専従スタッフとして本格的に活動を始めた.企業や自治体から相談を受けて,商品や出版物の色遣いを助言する.「色弱者は全国に300万人もいる.企業にとって『色覚のバリアフリー』はコストではなく新たな消費者を得るチャンス」だと言う.
徳島県出身.小学校の色覚検査で,友だちと違う数字を答え「アホになった」とからかわれた.その後も充電ランプが赤か緑かわからない.生焼けの肉を食べてしまう.日々少しずつ不便だが,あきらめていた.04年にCUDOに参加.精密検査を受け,自分の見え方の特徴を詳しく知った.さらに色彩の仕組みを勉強し「色の美しさを想像してきれいだと感じられるようになりました」.
CUDOのコンサルティング業務はこの1年で約100件.色弱者の見え方を再現するディスプレーや見やすい地図など次々製品化されたが,自動車や携帯電話,教科書と対象は限りない.
色覚バリアフリーが当たり前になるまで問い続けるつもりだ.「その色,伝わりやすく表示されていますか」と.
文 見市紀世子
写真 福留康友